旅とゴガクの "La couleur du temps"

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先月までにご紹介していた ”今月のおすすめの1冊”
今月のおすすめの1冊

ヨーロッパの旅とキリスト教


ヨーロッパへよく旅行に行かれる方、特に美術館へご訪問なさる方は、キリスト教を少しでも理解しておくことの意義を感じられるのではないでしょうか。

絵画や彫刻、建築など、あらゆる面でキリスト教文化との関わりがあります。
ヨーロッパの旅では、たとえぶらぶら散歩しているだけでも、見るもの触れるものにキリスト教文化を感じない瞬間はないかもしれません。

もちろんキリスト教文化の知識がなくともヨーロッパの旅を楽しむことは可能ですが、少しでも知識があるとより楽しめるだろうということは、言葉の理解と同様じゅうぶん考えられることです。

この本を見つけたときは迷わず飛びつきました。

特に著者は紅山雪夫さん。
この方の著作は何冊か持っていますが、ヨーロッパの旅を楽しむのには欠かせないものばかりでとても重宝しています。

今月は、そんな紅山さんの著作からこの1冊をご紹介いたします。

(アマゾンのページでは「目次」や読者の書評もご覧頂くことができます)

'08/06/01




外国語で発想するための日本語レッスン

この本を買い求めたのは去年か一昨年のことですが、初めて読んだ時の印象が強く、また最近読み返してみました。

著者の言葉を借りると「外国語を身につけるためには欧米式の読書技術を身につける必要がある」といいます。

欧米式の読書技術は、英語では「クリティカル・リーディング」といい、著者は「テクストの分析と解釈・批判」と訳しています。

著者が文科省の読解力向上のための海外研究視察の一員として訪れたドイツ、フランス、スペインの「分析と解釈・批判」の授業の様子は印象的です。

例えば、スペイン人の指導者が子どもたちに「どうして主人公の○○は△△をしたのか」と問いかけ、子どもたちは本に書かれた事実を根拠に「なぜその行為に及んだか」を述べさせるのですが、同じ質問を視察の日本人が受けた時の答えは、個人的な解釈に基づくものばかりであったため、「それはどこに書いてあるのか」「何ページに書いてあるのか」との質問が繰り返されたとの事です。

日本人参加者に言わせると「要するにそういうことでしょ。この文脈からはそう解釈できるし」ということのようです。

想像がつきます。欧米の人から言わせると「日本人は一体どうやって本を読んでいるのか」と疑問に思うそうです。

衝撃的な言葉です。

さて、欧米の人々は、自国でそれぞれこのように小説などの分析を議論し、考えを小論文にまとめる授業を受けてきています。

またそれは外国語の授業でも行われています。

つまり、ある程度の言語能力がついてくると、今度は「その言語を用いて、ある対象について議論しながら自分たちの考えを交換し合うこと」が自然のこととなっています。

そして 「議論の対象を文章に置くことは外国語を学ぶ上でごく自明」であり、「文章に使われている文法や語句、そしてその内容を理解することが、外国語の上達につながる」と著者は述べています。 

自在に英語でコミュニケーションできる能力を身につけたいと思っている方は多いでしょう。

しかし、国語、外国語、歴史、地理、哲学、経済、物理、化学、数学から音楽、美術など全てを対象として「それらを分析して解釈し、批判的な考察をふまえて自分自身の意見がいえなければ、欧米では一人の社会人としては認められない」ということが著書から浮かび上がってきます。

会話能力も読書から積み上げてゆくものではないか、私もそんな気がしてなりません。

 (*「」内は著書より抜粋しました)
※5/1付けにアメブロでもご紹介したものです

'08/5
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