旅とゴガクの "La couleur du temps"

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ニュージーランドの思い出

 *ここに綴っているのは以前ブログでご紹介したエピソードに加筆し、まだまだ続いています


まず庭を掃除しなさい!

ニュージーランドで数か月過ごしました。


よく知らない土地で、知り合いもいないので、最初はひと月ほどホームステイをさせていただきました。


ホームステイを終えて、いよいよ自分で見つけたフラットで生活を始めようとした初日のことです。


親切にも、ホームステイ先の奥さんがフラットまで送り届けてくれました。


「あら、いいお部屋じゃないの」


そう言うや否や、サッサッサと裏庭のある窓へ一直線!

シャーっとカーテンを開け、ひと通り庭を見渡した後の一言でした。


とても低い声で眉間にしわをよせ


  「まず庭を掃除しなさい。」


別に私が荒らしたわけじゃないし、そんなにひどくない!


でも理由はあるんです。


その奥さんは、実はイギリス人です。

イギリスでは(少なくともその奥さんの住まわれていた地域では)、庭の手入れが行き届いていないと恥ずかしいのです。


私が滞在したのは、ニュージーランドの南島最大の都市、クライストチャーチ。別名ガーデンシティです。


その名の通り、町中がきれいなお庭のようなかわいらしい町でした。


近所を歩いていると、きれいなお庭のお宅が並んでいます。

いつ見ても庭のお手入れをしているおばあさんもいました。


確かに、そんな中で一軒でも荒れた庭のお家があったら違和感があります。


庭を掃除せよと言われたものの、、、


どうしよう、私も芝刈り機みたいなの買わなきゃならないの?

まさか鎌とか鍬なんかで刈るわけにはいかないし、そもそもそんな道具ないし、永住するわけでもないのに、そんなの買いたくない・・・


しかし、悩むことはありませんでした。


私の借りたフラットのオーナーが、週に一度ちゃんと芝刈りをしてくれました。


一家に一台芝刈り機って感じでした。


お庭自慢のガーデンシティ、

何をさしおいてもお庭の手入れ、

仕事から帰ったら庭のチェック、


そんなクライストチャーチの町や人々のことは今でも記憶に残っています。

とてもチャーミングな町です。



カキを3つください


海外でしばらく生活すると、日本の食材が恋しくなるものです。


ニュージーランドのクライストチャーチでも、多少の日本の食材は手に入りました。


でも、どうしても手に入らなかったものの中に 「明太子」 がありました。

これはニュージーランドでなくても、難しいかもしれません。


ある日、マーケットのはずれに一軒のお魚屋さんを見つけました。


今日は魚にしよっと。


そのお魚屋さんに入ると、真中にでん、と「カキ」が並んでいました。


カキだ!


そうだ、今日はカキにしよう!


「すみませ〜ん、カキください」

「OK, How many?」


「み・みっつだけでいいんですけど・・・」

「Three !!!??? 」


とんでもないあきれ顔、「なんてこった」 という表情でしぶしぶカキを3つ袋に詰め、乱暴に渡されたことを今でもしっかり覚えています。あのお魚屋さんのおばさんの表情も忘れられません。


確かにニュージーランドの人は、週末にどーんと1週間分くらいの大量のお買い物をする人が多いみたいですけど、カキなんて新鮮じゃないと困るし、いいじゃないか3つでも!


一人暮らしだったから、そんなにいらないんだ!


不愉快な思いで家に帰ったものの、いざ夕食時になると、


「せめて5つくらい買えばよかった・・」


帰国後も、カキを食べるたびに思い出します。






雨が降っても


ヨーロッパの方は少々の雨が降ってもじたばたしないようです。


何年か前にドイツに訪れた時、 11月下旬でしたので、あまりすっきりとした天気の日はありませんでした。


お世話になった宿のご主人に、近所を案内していただいている時も、今にも泣き出しそうな空模様でした。

しばらく歩くとやはり雨が・・・


寒いし、傘は持ってないし、やれやれといった表情で空を見上げると、そのご主人はこう言いました。


「ドイツでは、いいジャケットさえあれば、悪い天気なんてないんだ。」


「君もいいジャケットを着ているし、僕もこの位の雨なら凌げるいいジャケットを着ているから大丈夫だ。」



ニュージーランドでも、よく雨にあいましたが、あたふたしているのは私を含めた日本人ばかり。

ずぶぬれのままバスに平気で乗ってくるし、小走りしてあわてて雨宿りをする様子もありません。


びっくりしたのは、私のフラットの隣に住んでいたイギリスから来たという奥さんです。


ある日、私が家にいた時のことです。


今日はいい天気だと思って、はりきって洗濯をしたのに、昼から急に雨が降り出しました。


珍しいことではありませんが、はやり洗濯物が気になったので、あわてて取りこんで、やれやれと思っていたのですが、隣の奥さんは、なんと、雨にさらされた洗濯物の干してあるテラスで読書をしているではありませんか!


雨は降り続けていますが、読書をやめる気配は全くありませんでした。

もちろん、洗濯物を取り込む気配すらありません。


すごい・・・


感覚が違う。

そう思ったものの、この奥さんにしろ、ドイツのおじさんにしろ、ものは考えようで、確かに動じるほどのことではないんですよね。


ちょくちょく雨が降ると、正直うっとうしいなと思うこともありますが、雨がよく降る所ほど、景色がきれいだったり、空気がきれいだったり、作物が豊富に育ったり、恵みが多いのも事実です。


以来、私もそれほど動じなくなりました。


いいジャケットがあればどってことない。

その通りだ。


雨に濡れれば拭けばいいんだ。


  雨に弱いジャケットの時はちょっと辛いけど・・・




すすがずふき取る!


ニュージーランドの方は、私たちとは食器の洗い方が違うようです。

ホームステイ初日、これから1か月もお世話になるのだから、いくらステイ費は払っているとはいえ、やはりお手伝いくらいはした方がいいだろうと思いました。

夕食を頂いた後、洗い物のお手伝いを申し出てみました。

洗い物をしていたおじさんが、「そうか、じゃあオレが食器を洗うから、これで拭いてくれ」 と布巾を私に渡しました。

はいはい

おじさんの洗い方を見ていると、洗剤を含ませたスポンジで洗うまでは私たちと同じですが、そのあとすすがずに泡泡のまま私に食器を渡してきました。

「え?どうすんの?」 と私がキョトンとしているとおじさんが見本を見せてくれました。

なんと、泡だらけのまま布巾でキュッキュッと拭き取ります。


初めはとても驚きましたが、これがこのお宅でのやり方なのだろう、それに生きていらっしゃるのだから大丈夫なんだろうし、ひょっとしたら洗剤の種類が違うのかも、なんて思っていました。

洗い流さないことについて言及はしませんでした。
まずは、郷に従ってみようと・・・
(今思えば、従うにしてもニュージーランド人はみんなそうなのか、それともイギリスの習慣なのかくらいは聞いてみてもよかったと後悔しています)


語学学校でクラスメイト達に聞くと、それぞれのステイ先のお宅も同様で皆やはり驚いたと言っています。


郷に従うといってもやはり気になります。
それでおなかが痛くなったことはありませんが、やはり気になるんですよね。

みんなそうだったようで、クラスメイトはもちろん、普段は洗い物の嫌いな私まで、率先して洗い物のお手伝いをしていたのは言うまでもありません。


なぜって、なるべく自分で洗い物をし、すすぎたかったからです。


ニュージーランドでは評判になっているかもしれませんよ。
ホームステイで来た子はみんなよく洗い物をするって・・・

それにしてもこの洗い物のしかたは、ニュージーランドの人というよりイギリス人がそうなのかもしれません。


いや、もしかしたらヨーロッパの人は多くがそうなのかも・・・

私にはスイス人の友人がいますが、その子もそう言えばすすいでいなかったような気がします。



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