ここでご紹介する ”旅の手帖” は、’08年2月にamebloでご紹介したものとほぼ同じです。
2005年夏、4年ぶりに海外旅行ができる状況になりました。
4年も行けなかったのです。
海外旅行どころか国内旅行もできずにいましたから、普通の状態ではありませんでした、精神的にも。。。
さぁ行くぞ!
海が見たい!青い空が見たい!!緑も見たい!!!
のんびりと"言葉"を勉強しているヒマはない!
フランスだ!!
地中海だ!!!
ニースだ!!!!
久々にスーツケースを引っぱり出し、ニースへ旅立ちました。
4年ぶりの海外旅行のためか、空港までの所要時間などすっかり忘れていて、あわてて最寄りの駅までタクシーで行く羽目になって始まったニースへの旅。
所要時間どころか、荷物をスーツケースに詰めるのも前日(正確には日付は出発当日になっていましたが)になって部屋でガサゴソと始める始末。
ま、荷物のパッキングは毎度こんな感じだけれど。
のっけから慌ただしく始まった旅は意外とニースに辿り着くまでにラックが続き、嬉しい反面こんなところで運を使い果たして大丈夫だろうかという不安を抱かないでもなかったのです。
1)まず、始めのプチ・ラック。
あわててタクシーで行ったのに、道が混んでいて結局乗るつもりだった電車に乗り遅れました。
新大阪駅から関西空港まで 「はるか」 という特急に乗るつもりだったのに、私が乗った普通電車からその「はるか」に乗り継ぐ時間はわずか3分。
だめだ、ラッシュ時にたった3分ではこんな重いスーツケースをエスカレーターやエレベータでえっちらおっちら上がって、「はるか」の発着するホームに間に合わない。
と思ったらその「はるか」も4分遅れで到着することに。
ぶじ「はるか」に乗り込み予定通り空港に辿り着きました。
2)次のラックが一番うれしい。
飛行機のチェックイン。
お盆なので人込みを覚悟していた割には思っていたほど混んでいなく、むしろ今までの中で一番すいていたかもしれません。
こんなシーズンに購入したチケットは正規のもので、シーズンオフとはえらい違い。この位のラックはあっても罰は当たらないでしょう、当然だ!の気持ちもあったりして。
ところがラックはこれからで、なんとエコノミー席が満席のため私にビジネスクラスへ行けという。
「よろしいでしょうか?」というJALのスタッフに、
よろしいでしょうかって?よろしいに決まっているじゃないか!
頭の中では小躍りする私が何人もいましたが平静を装い、
「ええ、結構ですよ」
なにが "結構ですよ” だ、素直にはしゃげ!
ビジネスクラスは見るからに快適。
エコノミー席へ行く団体さんが 「あら、全然ちがうわやっぱり・・・」と通り過ぎてゆきます。
持ってきた本を読みながらほくそ笑むのでした。(o^-')b
おばちゃんたち、ありがとう。
あなた方のおかげで私はビジネスクラスに移ることができました。
JALだと思って乗り込んだのは実はエールフランス。
共同運航だったのですね。
エールフランスだからかビジネスクラスだからなのか、お料理もおいしく、アペリティフ-前菜-メインと、順に別々に持ってきてくれます。
もちろんフロマージュ(チーズ)もついてきます。
フロマージュを断る人もいましたが、”デザートをスキップしてでもフロマージュを”
と教えてくれたフランス人のいいつけ(?)に従い、ワインとフロマージュをいただきました。
そうそう、ワインも適温でとても美味でした。
やっぱりエコノミーとは違いますね。
サラダについてくるドレッシングは、塩とこしょう、オリーブオイルがそれぞれ小さな小瓶に入れられているんです。
このオリーブオイルもまたおいしくて、湿度の高い日本の家屋や店舗に保管されちょっと臭みがでているオリーブオイルとは違い、ちょうどいい温度で保管されていたという感じの、さっぱりしていてでもまろやかなおいしいオイルでした。
油って美味しいんだ!
始めてそう思いました。
機内食もなかなかやりますね。
ビジネスクラスのシートの心地よいこと。
リクライニングは並の角度ではなく、ほとんどフラットの状態にまでできます。初めて飛行機の中で足を延ばして横になって寝ました。
約12時間のフライトだったそうですが、あっという間にパリに着いたような気がします。
パリからニースへの乗り継ぎは、少し待たされたり、いつもの通り搭乗口がわからなくなって迷ったりしましたが、騒ぎ立てるほどのことではなくまずまず順調です。
ドイツ旅行の時のミラノ経由のことを思うとなんてことはありません。
そういえば今回が初めてのトランジット成功と言えます。
しかし、パリからニースへはエコノミー・・・
距離が短いからよかったけれど、ギャップの大きさに今後の飛行機の旅を憂いてしまいました。
一度ビジネスクラスの快適さを知ってしまったら・・・
ニースへ到着です。
心なしか潮の香がするようです。
距離的に考えると多分気のせいだと思いますが・・・
ニースから宿へはタクシーで移動するしかありません。
私の予約した宿は ”Chambre d'hote" 平たく言うとイギリスのB&B、日本の民宿です。
ニース空港に停車中のタクシーはどれもベンツかアウディのデカイ車でした。
私の乗ろうとしたのもベンツで、運転手さん曰く
「この行き先だと途中から道が細くなるから俺のデカイ車ではムリだ」
いったんは断られたのですが、可能なところまでならということで乗せてもらいました。
ご覧のように、確かに道は細くなりますが、運転手さんが降りてここからトランクを運んでくれましたので問題ありませんでした。
多少覚悟していた ”ぼったくり”
にあうこともなく、ただ降りて運んでもらったからには少しチップをはずまなければいけないのかな、と32ユーロのところ40ユーロ渡しました。
小銭を持っていなかったし、到着したばかりでまだユーロの感覚もなかったのでなんとも思わず渡してしまいましたが、運転手さんはえらく喜んでいましたから、ひょっとしたら渡し過ぎたのかもしれません。
ま、いいや ”これから1週間よろしくね” の意味を込めたニースの街に対するごあいさつということで。
予約した宿は海からは少し離れたところです。
海沿いにしようかどうしようか迷ったのですが、今回は ”静かに過ごす” がテーマだったのでやや山側を選んだのでした。
宿周辺はとても静かでしたが、車のない私にはちょっと不便かも。
夕食には困るかも・・・
でも宿の奥さんにピザのメニューももらったので、宅配してもらうこともできそう。
って、毎日ピザか!?
ま、明日ゆっくり考えよう。
私の部屋はプライベートバスルームもあり結構ゆっくりできそうです。
シャワーは”ちょろちょろ” で、しかも手で持っておかなければならないけれど、ないよりマシというもの。
電話以外のものは大抵そろっているので何とかなりそうです。
お風呂にも入ったし歯も磨いた。
今日はもう寝よう、と部屋に戻ろうとしたら大きな犬がバスルームの前にどっかと寝そべっているではありませんか。
あまりにもジーッと見つめるので、何か言おうとしましたが、犬にフランス語で話しかけるのも変だと思ってやめておきました。
それにしても大きい犬。
見張り犬?
時計をセットし、明日の朝食を楽しみにその日は寝ました。
到着翌日・・・
結構宿泊客がいるようです。
聞こえてくるのはフランス語ばかり。
郊外へ休暇といったところかな?
さてこの日はアラームなしで目を覚まし、持ってきていた時計を見ると午後1時過ぎでびっくり!
よく考えたら日本時間だ。
まだ日常の音も聞こえてこないし、外も暗いので午後なわけがない。
明け方は雨で雷も鳴っていましたが、朝食時はすっかりやんでいたので外で petit déjeuner-
ここで朝食を頂きます
クロワッサンがふわふわでおいし~い。
カマンベールは日本で食べるのとちょっと味が違うみたい。
菌が違うのかな?
電話をかけて実家にも無事着いたことを知らせたし、地図やバスの情報も入手できたので、さあいつもの旅の通り宿の周辺散策です。
まずはなんといっても昼夜の空腹を満たすすべを見つけねば。
身支度を整え外へ出ようとすると・・・
見えますか?
テーブルの下にいるネコ
犬もいれば猫もいる。
白黒のネコがいたので近寄ってみました。
首の周りをなでなですると、目を閉じてゴロゴロ言い出しました。
どこの国でもネコは一緒だな。
手を止めると、もっとしろと私の手に首をのせてきます。
しまいには、私が移動すると私の目に入るところへジャンプしてきます。
もっとしろということか、、、
仕方がないのでもう少し頑張ってみました。
少しして気が済んだのか、ヌーっとどこかへ姿をくらませました。
やっぱりどこの国でもネコは気まぐれなようです。
到着翌日の夕食は、近くに適当なレストランを見つけることができず、ある意味予定通りにピッツァを宅配で頼みました。
海外で宅配ピッツァって初めて。
ついでにビールも頼んじゃお。
ハイネケンしかないのは残念だけど、食事用とお風呂あがり用に2缶は必要だな。
海外で宅配ピザもユニークな経験の一つ。
ピッツァとビール2缶で、しめて ”€10.20”
クリスピーか分厚いのかなんて生地のタイプのオプションなんてありません。
クリスピー以外はありえないのでしょう。
ところで宅配の人にチップって必要なの?
こうなったら本人に聞け、ということで宅配のお兄ちゃんに 「よくわからないんだけど、チップって必要なの?」と間の抜けたことを聞いてしまいました。
旅の恥はかき捨てです。
「そちら次第です」と少し含み笑いを見せながら答えてくれました。
実はまだあまり円をユーロに換金していなかったし、わずかなユーロを前日のタクシーにチップをはずみ過ぎたせいか、残金が心配で結局チップは払いませんでした。
とっても不細工な話です。
許してくれ青年よ、もしまた注文することがあったら€1くらいはずむよ、、、残金に余裕があれば。
だって近所に銀行ないし。。。
明日にでもバスに乗って中心地に行ってみればきっと銀行の一つや二つあるさ。
でも結局これっきりピッツァを注文することはありませんでした。
ちなみに食べたピッツァは、アンチョビ入りのマルゲリータ。
生地は薄かったのですが、なにせ大きいので(日本の宅配ピザと比べるとMサイズよりちょっと大きくてLサイズよりはちょっと小さいくらい)全部食べられるか心配でしたが、食欲衰退期の夏にも関わらず、難なくぺろりと頂きました。
ピザは結構入るんです、私のおなか。

この階段をかけ上ってピッツァを運んでくれたのに・・・
3日目は有名な Promenade des Anglais を訪れてみました。
有名と言ってもニースに行くと決めるまでは知りませんでしたけど。
Promenade des Anglais
(プロムナード・デ・ザングレ)・・・
”英国人(Anglais)の散歩道(Promenade)” です。
1820年に英国人居留者によって造られた通りからこの名前が付けられたそうです。
テレビや写真などで見かけるビーチ沿いのパラソルやデッキチェアの並ぶ風景は、この通りから見られる景色でしょう。
ここへはカメラを置いてきてしまったため写真がありません。
実はちょっと散歩のつもりで出かけたらここまで来てしまったというのが実際のところなんです。
つまり、予定してこのプロムナードを訪れたわけではなかったということです。
お詫びと言ってはなんですが、宿近くから撮った写真でおゆるし下さい。
遠~くに地中海が見えるのですが、カメラの質が悪いのか、いつもの通り私の腕のせいか、あまりはっきりとは見えませんね。
まあ雰囲気だけ感じ取ってください。
後は皆さんの想像力にお任せいたします。
でもこの時の私の目前に広がる青い地中海の景色、そして潮の香りは2年以上たった今でも脳裏に焼き付いています。
なんとも開放的な風景でした。
(ニースの海岸はパラソルが海原に咲く花のよう
Promenade des Anglais のあるニース中心地へはバスで行きました。
バス停はカンカン照りでじっとしていられなかったので、停留所から少し離れた日陰でバスを待ちました。
そのせいかどうか、バスを1本見逃してしまいました。
私のイメージしていたバスとは違っていましたので、目の前を通り過ぎるまで気づかなかったのです。
10分後別のバスに乗りました。
意外と時間通に来たのには驚きました。(これ失言?)
バスに乗り、念のために目的地までつくのか聞いてみましたがムシされてしまいました。
一応フランス語で聞いたんだけど、、、
き・きっと無愛想なんだ。ははは
無事街に着いたので、チケットはいくらかと聞いたところ、もう終わったから降りろと言われ、何のことかわからないまま、でもどうすることもできないので仕方なく
”無賃乗車” のまま降りました。
愛想はないけどいいやつだ。
いや違う、
そういえば乗る時に買うんだった、バスのチケット!
「もう終わったから降りろ」というのは、おそらく車内のチケット販売機を閉めてしまったのだと思います。
その日はなぜか、午後はバスが運休していましたから、終着の停留所に着く前に早々と閉めたに違いありません。
バスのチケットの買い方もわからん東洋人のことは放っておいてさっさと閉めちゃおう、って感じだったのでしょうね。
何せ4年ぶりのヨーロッパでしたから、バスのチケットを買うシステムなんてすっかり忘れていました。
ウチの地元では降車時に払いますからついついそのノリで・・・
バスを降り、街の探索も兼ねてしばらく歩きました。
やっぱり宿は街を離れた所にとって正解だったかも。
さすがに街中は人も多く、ちょっとごちゃごちゃしています。
しばらく歩くと先にご紹介したプロムナード・デ・ザングレに出ました。
しばらく海岸付近でのんびりと。
泳ぎたい・・・
そんなつもりじゃなかったから水着も持ってきていない。。。
しばらくしてからのどが渇いたので、その通りのカフェで休憩してからまた歩き出すと、どこかで見たような建物と文字が!
ネグレスコホテル
ある歌が私の頭の中で流れ出し、しばらく離れませんでした。
意味もなく近づいてゆくとドアマンに ”Hello"
と挨拶をされました。
高級ホテルのドアマンにしては気さくな人だ。
私はヨレヨレの格好なのに。
さてこれからどうする?
あと50マイル南へ行こうか ---まだあの曲が離れないようです。
(あれ、東だっけ?)
そうこうしているうちに、またバスを降りたニース駅付近まで戻ってきてしまいました。
”Bonjour chinoise"
えっ、それって私に言ってるの?
シノワーズって私中国人じゃないんだけど。
またもや中国人に間違われてしまいました。
パリやサンフランシスコでも中国人かと聞かれたことがありましたが、友人知人に中国人ぽいと言われたことは全くありません。
欧米の人から見ると、中国人も日本人も韓国人も同じなのかもしれません。
ただ団体じゃないから日本人と思われなかったのかも。
そんなことを考えつつ、街中の様子をさぐり、レストランなども目星をつけておきました。
でも今日はまた街へ戻ってくるのも面倒なので、夕食のための食料を買いつけて宿へ持ち帰ることにしました。
(ビンボー旅ですから節約もしておかなければ)
その日の夕食用に買い付けたのは、魚のタイカレーとサラダとビール。
(ニース名物でも何でもない)
何の魚かもわからないし、一緒に買ったサラダには、生のもやしが入っていました。
ちょっと食べるとすぐお腹いっぱいになり、魚が一切れ残ってしまいました。
処分に悩む・・・
まずいわけじゃないけど、もやしって生で食べるものだっけ?
どっちにしても結構においが強く、部屋のにおいが気になりました。
いったん部屋の外に出て入りなおしてみると、カレーのにおいは意外とせず、もやしのにおいがしました。
おなか痛くならなきゃいいんだけど・・・
今回は正露丸持ってきてないよ~
翌朝いつもの通り外で風景を楽しみながら朝食をとっていると、あのネコが近寄ってきました。
)
足元にちょこんとお行儀よく座り、何やらおねだりしている様子です。
食べるものがほしいの?
いやいや、飼いネコなんだしそれはないでしょう、、だとしても与えるべきじゃないよね。
ってことはあれか、首をなでろと言ってるんだなこいつ。
まだ何もしていないのに、すでにのどがゴロゴロ言っている。
目なんか細めちゃって、こっちは食事中!
手を使うんだからお前を触るわけにはいかないの!!
パンを食べ終え手を使わなくなったのでゴロゴロしてあげました。
するとテーブルの上に乗ってきて、まだ使われていない新しいお皿にすっぽりネコの尻尾が!
あれれ、次に使う方お気の毒様。
ゴロゴロするのに疲れ、適当に、というより、やや乱雑に撫でていたら手で私のことを払いのけ、おまけにカプリと私の手をかじって飛び降りやがった!
ちっ、勝手なやつ。
でもやっぱりよくわかるもんだな・・
面倒くさいなと思いながら撫でていることに気づかれたんだ。
ネコとのじゃれ合いを終え、お出かけの準備。
今日はマティスを見に行くんだ!

マティスとはもちろんあの アンリ・マティス のことです。
絵画の鑑賞が好きで、中でもマティスはとても好きな画家の一人です。
ニースには他にシャガール美術館もありますが、そこは通り過ぎマティス美術館を訪れました。
どちらの美術館も同じバスルートにありますが、マティスは終着の一停留所手前なので私にとっては余計に好都合でした。
なんでって、日本のバスのように降車時に停留所名を言ってくれませんから、万一通り過ぎても一停留所くらいの距離なら歩いて戻ることもできます。
それでも念のため、運転手さんに予めココで降ろしてねと頼んでおきましたけど。
外観はこじんまりとした美術館でしたがとても楽しみ。
受付に入りましたが、それほど込んでいる様子もなくじっくり観られそうな予感がしました。
(やはりシャガールの方が人気なのかもしれませんね)
さあここからですよ。
旅先でちょっとした一悶着くらいないとつまらない。
そうこなくっちゃ!
受付くらいならフランス語でがんばってみようとあいさつから始め、€4の入場料のために€10札を差し出しました。
この時は小銭を持ち合わせておらず、仕方なくお札を差し出したのがことの始まりです。
レセプショニストのおばさんはいきなり怒りだしました。
「もう、さっきからお札ばっかり おつりがないのよ!!」
と誰に言うでもなくフランス語で叫んだ後で、
「あなた小銭持っていないの?お札で払うなら後にしてちょうだい、おつりがないのよ!」
と今度は英語で私に向ってどなりつけました。
こう言っちゃなんですが、へたっぴな英語でした。
ならば私もへたっぴなフランス語で対抗だ!
「あれば出したいんだけど札しか持ってないの」
おばさんも引き下がりません。
「本当なの!本当に小銭は持っていないの!? 」
まだ英語でがんばります。
しかもとってもエラソーに。
「ほ、本当にって、本当よっ。なんなら財布の中見る?」
私もへたっぴなフランス語をやめません。
「日本円かリラでよけりゃ小銭もあるけどっ!」
なぜか昔使い残したリラが財布に入っていますが、当然使えるはずがないのを承知の上でイヤミで言いました。
で、財布の中身も見せました。
どうだ!
ところが向こうも本当に小銭がなかったらしく、結局次のお客さんが小銭を出すまで待たされました。
本当に小銭がないにしても言い方ってものがあるでしょうに。
少し離れた所で様子を見ていたらしいおじさんが気の毒に思ったのか、じゃらじゃらと音をたてながら小銭で支払ってくれましたので、それほど待たされずに済みましたけど。
おじさんありがとう。
まったく、小銭くらい用意しとけってんだ。
それにしても冷静に考えるとおかしいです。
お互いにへたっぴな英語とフランス語で言い合ってちゃんと言い争いが成り立っていたのですから。
ま、お互いに外国語ですから、公平といえば公平です。
騒がしいレセプションを過ぎるとうそのように静かにマティスを鑑賞することができました。
マティスというと
こんな感じの大胆な色づかいの絵画を想像される方も多いと思いますが、ここニースに展示されている作品は、このような色づかいを始める以前の作品なのか、比較的落ち着いた色合いのものが多かったように思います。
絵画に詳しい方ならともかく、私のように理屈抜きの感覚だけで絵画を楽しむ人間には、言われなければマティスの作品とは気付かなかったかもしれません。
いずれにしてもマティスの主な作品、たとえばダンスシリーズとでもいいましょうか
「ダンスI」や「ダンスと○○」などの作品は、ニューヨークやロシアの美術館にありますので、ニースで観られるのはそれ以外のあまり有名ではない作品なのかもしれません。
といっても、タヒチに魅せられて描かれた作品もいくつかは展示されていましたので、”有名ではない” というのは正しい言葉ではありませんね。
それに考えようによっては、むしろ写真集などではお目にかかれない貴重な作品を観ることができたともいえます。
事実、私にとってはよく知らなかったマティスの一面が観られたようで嬉しかったです。
マティスといえば、南仏ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂の内装デザインがとても有名です。マティス芸術の集大成ともいわれるほどのこの作品をいつか観てみたいと思っています。
それにしても、マティスはその色づかいや画風から 「フォービスム(fauvism)=野獣派」と言われていますが、”野獣”
としか訳しようがないのでしょうか。。。
マティス美術館でたっぷりと時間を過ごし帰宅の途に着きました。
この日は土曜日で、1時間に1~2本しかないバスに測ったようなタイミングで乗り合わせることができてラッキー。
普段の行いがいいのかな、などとどうでもいいことを考えて浮かれていたら目的地を通り過ぎて終着まで来てしまいました。
仕方なしに少しだけ歩いてニース中心街の見慣れた停留所まで行き、宿まで戻るバスを待ちました。
これもまたほとんど待ち時間なしでバスに乗ることができ、おまけにいつもとは違うルートを通るバスだったため、山の手から海を見下ろす景色を堪能できたので、少し遠回りでしたが楽しむことができました。
宿に着いたらプールへ直行!
(この先にプールが)
この宿にはプールがあるんです。
なんてったって、プール付きの宿をわざわざ探したのですから。
外はカンカンでりですごく暑いのに水がすごく冷たい。
泳いだりデッキで本を読んだりしながら数時間過ごしました。
同じ宿に宿泊しているお客人も隣のデッキにいましたが、ずーっとクロスワードをしていました。
前にもどこかで触れたと思いますが、やはりフランス人はクロスワードが好きなようです。
それにしてもプールで泳ぐのは私くらいで、他の方はほとんどずっとデッキで過ごしていました。
それもまたよし、どう過ごそうと其々ですね。
わたしは勿論、みなさんとってもゆったりしていらっしゃいました。
あ~、なんてのどかな休日。
それなのに、それなのに・・・
土曜日の夜あたりから宿が賑やかになってきました。
どうやら子ども連れの家族が宿泊してきたようです。
部屋を出たり入ったり、その都度入口の扉をバタンバタンと大きな音をたててくれます。(-_-メ
私、子どもは好きなんです。
仕事ではいつも大勢の子どもたちに囲まれていますし、可愛くて無邪気で大好きです。
が、休暇のときは静かに過ごしたい。
旅は子どもに囲まれてにぎやかな日々を離れ、リフレッシュするのも目的の一つなんです。
あぁ、どうかこの静寂を奪わないで。
そう思いながらお風呂に入ろうと廊下に出て寝室とは別室になっているバスルームへ入ろうとするとカギがかかっているではありませんか。
えっ!
私のプライベートバスルームなのになんで!?
すると中から見知らぬアメリカ人風の大学生くらいの女の子があわてて飛びだし、わびるでもなく逃げ去って行きました。
ま、待てヾ(。`Д´。)ノ
と叫ぶより逃げ足のほうが速い。
なんてこと!!
私の休暇が・・
私の静寂が・・・
静寂を奪われつつある休暇ですが、憂いていても仕方がありません。
今日は日曜日。
バスの本数も少なくなるので行き先を慎重に吟味しなければ。
結局この日は近現代美術館を訪れることにしました。
本当はあまり興味ないんです、近現代美術って。
興味がないというより、よくわからないんです。
まったくわからないといってもいいかもしれません。
でもひょっとしたら面白い作品に出会えるかもしれないし、ということで行ってみることにしました。
・・・
面白い作品も確かにありましたが、ほとんど理解不能です。
作品を造っている方、関係者の方には申し訳ないのですが、解説でもしていただかないと私にとってはガラクタの寄せ集めにしか見えませんでした。
ひどいことを言って本当に申し訳ないです。
でも、せめてタイトルくらいちゃんとつけてヒントでも頂かないと。
芸術作品でもなんでもタイトルにはとても興味があります。
そこに造った人の意図や気持ちなどが凝縮されているように思うからです。
それなのにここにあった作品のほとんどは 「Untitled」
でした。
その作品をどう観るかは私たちに委ねられているのでしょう。
それを面白いととる人もいらっしゃるのでしょうが、私はダメです。
個人的には8割ガラクタ、2割面白い作品、といった感想でした。
例えば数少ないタイトル付きの作品に 『2つのイス』 というものがありました。
そのまんまですが、イスが2つ並んでいて、1つのイスにはくつ、もう一方にはシャツがかけられています。
(それだけです)
もうひとつ 「Untitle」 の作品を観てみると・・・
お湯を沸かすための細長いケトルが輪切りにされていて、それを1つずつタブロに並べてありました。
で?
だから何!?
と言いたいところでしたが、こうして印象に残ってしまっているということは、作品として認めてしまったことになるのでしょうかね。
せめてタイトルでもつけてくれていたらなるほどと思えるのかもしれませんが、やっぱり私には物足りないとしか言いようがありませんでした。
こんなことならシャガール美術館へ行けばよかった。
でもまあそこそこ面白い作品もあったので全くムダ足だったとは言いませんけど。
しかし、こんな風に不平を綴っていること自体、まんまと作者の思うツボにはまった感もあります。
不満タラタラの近現代美術館を出るとその足でどこかへ寄ろうという気持ちは失せていました。
宿に戻ってプールで泳ごう。
スカッとしたい時には泳ぐのがいい。
宿に戻って身支度をし、プールへ向かうとまるで市民プールかなんかに来たかのような賑やかな声がするではありませんか!
も、もしや・・・
そーっと木陰からプールの様子を伺うと・・・
やっぱり...
プールもデッキも子どもでいっぱいです。((>д<))
泳ぐのもデッキでのんびり過ごすのもムリだということは明らかです。
ここは子どもたちに譲りましょう。
おばさんは後で結構です。
何度も言うように子どもは好きなんですよ。
こうして無邪気にプールで遊ぶ姿もかわいいしいいんですが、バカンス中はダメです。
浮世を離れるためにここへ来ているんだから。
しかたないm(..)m
部屋に戻って本でも読んでよo(_ _*)o
私がプールへ行ったのはそれから2時間後。
子どもたちがプールから戻ってくるや否や水着に着替えプールへジャンプイン!
デッキを見ると、昨日もそこにいた宿泊客が何事もなかったように、昨日と同じように本を読んでいます。
この人たちスゴイ!
あの賑やかな中で寝たり本を読んだりしていたの?
聞いてみました。
「さっきここに子どもたちがいたでしょ。ずいぶん賑やかだったから私は空くのを待っていたんだけど...」
皆さんくすくす笑って 「いたよ」 「賑やかだったよ」 と言うだけです。
器の違いを痛感しました(+_+)
プールでひと泳ぎし夕食を終えてから、なんとなくフランスのガイドブックを眺めながら ”次の旅”
のことを考えていました。
いつもそうです。
旅の最中に "次はどこへいってみたい” という気持ちが起こります。
その旅の最中に見たもの、感じたことなどから 「じゃあ次はここへ」
と思いが募るものですから。。。
ただし毎度その思いは次の旅までもたず、気が変ってしまっています。
この時思った次の行先は 「ポン・デュ・ガール」
でした。
ローマ時代に建造された巨大な石の橋・・・
写真や映像で見たときでさえ感動したものです。
そこへ行くとしたら・・・
アヴィニオンかニームに降り立ち、そこからバスかタクシーに乗る。
バスは1日2本というから不便なところかもしれない。
うーーむ、
パリを除いて車がないと思うように動けない国だな、まったく。。。
でもこの国で車を運転するには -これまで訪れた都市のドライバーの様子から察するに-
かなり図太い神経をしていないとムリです。
運転の慣れとかキャリア、上手い下手じゃない、図太さが必要!
歩行者にとって信号はあってないようなもの、とパリでは痛感しました。
ニースではかろうじて信号を守っているように見えましたが、パリでは青だから渡ろうとしたのに車に足の甲をひかれましたからね。
それでも謝るどころか大丈夫かと気にする素振りすらありません。
反対に ”なんで渡るんだ?”
と言わんばかりの表情で睨みつけられた覚えがあります。
(ノロノロでしたから痛くもかゆくもありませんでしたけど)
だからやっぱりこの国での運転は、私にはムリ。
生まれ変わるか性格が180度変わるかしない限りムリだと思います。
そんなわけで、何の話だったか、、、
あ、ポン・デュ・ガールか・・・
むむむ、、、
とにかく今回は ”海”
にこだわったニースだったけど、次回は内陸部にも目を向けよう、
そして、次回は夕食つきの宿か、近くに程よいレストランのある場所、ファミリー向けでない宿で、おいしいワインを出してくれるところ!
そんなことを考えていました。
予想通り、ニースの次の旅は ポン・デュ・ガール ではなくローマになりましたけど。
たまたまいつも見るFrance2ではなくBBCでその日が終戦記念日だったことを思い出しました。
France2では日本の終戦記念日のことを取り上げないだろうな、などと思いながら今日の予定を考えます。
この日は趣向を変えて、まずは近所を散歩してみました。
到着後すぐに近隣の散策をしますが、山の手ですので山をぐるっと散策するにはある程度地理が分かってからでないと心配です。
(極度の方向音痴ですので)
いつも通るバスルートと反対側を歩いてみました。
山を上がっていくルートになります。
こちら側は階級も1クラス上なのかなと思わせる豪華な家が並んでいます。もう少しこの道をあがればもっといい景色になるのかなと思いながらも、どうやらプライベートな敷地らしいのであきらめました。
それにしてもだんだん眺めが良くなっていき、途中何度も足を止めては写真を撮ったりおいしい空気を吸ったりしました。
写真は撮りましたが、この時はインスタントカメラだったためか、毎度のことながら私のせいか、あまり映りがよくありません。
現像してがっくりしました。
宿から20分ほど歩いたところに小さなレストランを見つけました。
おー、こんなところにあったのか!
私にとっては念願のレストランです。
何しろ夕食は街までバスに乗って下りていかなければなりませんでしたから。
早速のぞいてみようと思いましたが、その時間は閉店中でした。
そして8月15日は Assomption
-聖母被昇天祭のためお休みの店が多く、バスも午前のみで、このレストランも結局終日お休みでした。
夕食は結局街までトボトボ歩き、プロムナード・デ・ザングレにある海の見えるレストランでいただきました。
地中海を眺めながらも、久々に肉を食べたくなりステーキを頼んでしまったのです。
目の前に肉が出されてはじめて ”しまった---こんなところで肉を頼むとは” と後悔しました。
でもニースでは有名な
”サラダ・ニソワ (ニース風サラダ)” を頂きそこそこ満足できた1日でした。
散歩の途中でこのイヌにガンガンほえられました
おそらく通りすがる人を見つけてはこうして身を乗り出して威嚇(?)しているのでしょう。
柵の変形具合が物語っています。
ニースを発つ日は飛行機の便に合わせて少し早めに宿を出ます。
といってもタクシーを呼んだのは8時半ですから、そんなに早いわけではありません。
ただ、宿のご夫婦は前の夜に知人が訪れたためかなり夜更かししていたので、朝早くに朝食を用意していただくのはちょっと申し訳ない気もしたのですがしかたありません。
この宿は朝食時間が8時半以降なので、朝食はあきらめようと思っていたのですが、特別にパンとコーヒーだけ用意していただきました。
もうひとつ、
現金を使い果たし、空港へ行く途中に銀行へ行ってお金をおろしてこなければならない羽目になってしまったのです。
ここではタクシーでカードを使うことができません。
そんな話を宿のご主人にしたら、なぜかタクシーに乗り込む前においしそうな焼きたてのクロワッサンを包んでくれました。
あれ、私に頂けるのかな、とお礼を言う用意までしかけていたのに、そうではなく、イザというときにタクシーの運転手に渡せと言います。
(私が食べたい・・・。)
銀行でお金をおろしている間、当然タクシーの運転手には待ってもらわなければならないのですが、待つことを鬱陶しく思って気を悪くする場合があるからこれを使えというのです。
「パンを渡しておけば気を良くして待ってくれるから大丈夫だ」とのこと。
言いつけを守り、銀行のATMへ駆け込む前に 「これでも食べて待っててね」
とクロワッサンを渡すと大喜びしていました。
無事お金をおろしてタクシーに戻ってきたら、運転手さんはラジオの音楽を聴きながら鼻歌交じりにご機嫌よく待っていました。
足元を見るとクロワッサンのカスがぼろぼろ落ちています。
最初は "パンを渡したくらいで機嫌が良くなるなら苦労はないよ" と思ったのですが、効果は絶大だったようです。
一つ勉強になりました。
パンでいいのだ、と・・・
ニースで1週間、
美術館2か所、
海2回、
プール2回、、、
十分だと思いました。
何といってもよく歩きました。
日焼けで手足はボロボロですが、その位でないと海辺に来た甲斐がないというもの。
よく歩いた半面ゆっくり体を休められたかどうかはわかりませんが、いつになくとても健康的に過ごせたことは間違いありません。
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