※この旅の栞は'08.3アメブロに掲載したものに少しだけ加筆したものを載せています
旅とゴガクの "La couleur du temps"

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2006年広島の旅 宮島−広島−尾道へ






2006年秋、広島を訪れました。

2005年秋に長崎を訪れたのと同じ理由です。
この時は、以前ドイツの方に広島・長崎を訪れた話を聞かされ、日本人として恥ずかしい思いをしたと感じたことがきっかけでした。

長崎の次は広島へと思い立ったのですが・・・
せっかくなので宮島にも行ってみました。
日本三景ですからね、いずれは訪れてみたいと思っていました。



宮島へ





図ったわけではないのですが、訪れた11月は私にとってはベストシーズンといえます。

暑くもなく、寒くもなく、それになによりカキの水揚げが始まる時期です。
私の食欲も旺盛になり始める時期なので言うことなしです。


関西に住む私にとって広島は比較的近い所ですので、朝起きて身支度をし、午後出発してもちょうどホテルのチェックイン時間に到着できるという地理条件にあります。


新幹線とフェリーを乗継ぎ、夕刻宮島に到着しました。

フェリーから厳島神社の大鳥居が見えると、乗客のほとんどが船室から出てゆきます。

水の中で夕焼けを受けて佇む神社はとても幻想的です。


比較するものではないかもしれませんが、モン・サン・ミシェルの修道院と同じような感情を抱きます。

事実この翌年にモン・サン・ミシェルへ行ってみたいと思ったのは、厳島神社の風景が頭にあったからと言えるような気がしています。



m3 宿の外から眺める満潮時の大鳥居です



シカと貝、、、観光客のマナー



宮島へ到着してすぐに散歩がてらに厳島神社まで歩いてみました。


修学旅行生と思われる中学生が鹿と戯れている風景は微笑ましいものです。私も戯れたかったのですが、子どもを差し置いて、あるいは一緒になって追いかけまわすというのはさすがにちょっと躊躇うものがありました。


暗くなって子どもたちがいなくなってから写真を撮ってみましたが、あまりに暗すぎて現像を見てみるとほとんど何も映っていません。


ところでこの鹿たちは、本来夜になったら山へ帰るものらしいのですが、観光客が餌づけをしてしまうおかげでずっと町に居座ってしまっているようです。


そのため観光客に ”もっと餌をくれ” と絡んできたり、おみやげ屋さんに置いてある ”鹿のえさ” を勝手に拝借し問題になっているとのことです。


箕面や日光のサルと同じ問題ですね。

でも、奈良の鹿はうまくやっているのでしょうか?
奈良では町中は勿論、仕事で訪れた奈良女子大学のキャンパス内にも当たり前のように鹿がいて、しかも(しゃれではありません)誰も騒いだりはしゃいだりしません。

私一人、”シカがいる” と心の中でワーワー騒いでいました(一応仕事で行ったのではしゃがないように自制しましたけど)。

もう一つ宮島で警告を見たのが ”貝をとるな” というものでした。


鳥居の内側、つまり神社の境内は神聖な場所なので、貝をとるなどもっての他ということです。


しかも獲った貝を近くの公衆トイレの洗面所で砂洗いをする人がいるようで、お手洗いにも ”ここで貝を洗わないで” という注意書きがなされていました。


まったく情けないですよね。
小さい子どもならまだしも、おそらく大人がしていることなのでしょうから。


世界遺産にも登録されている場所ですよ、みなで当たり前のルールを守り、美しく気持ちよく訪れたいものです。


シカもちょっとした人間の不注意で、不自然な生態系になってしまってはかわいそうです。


餌がもらえないとなると、島内にお住まいの家や庭が少々荒されてしまっているようなので何ともお気の毒な話です。

私も通りすがりに、家の外に出されていた新聞の束が、鹿にボロボロにされているところを見ました。


シカも島内の方も被害者かもしれません。
観光客としてわきまえねば・・・


君たちに罪はない

民家を彷徨うシカ・・・私も撮影している場合ではない!

一応この後追い払ってみましたが、サルほどではないけどこんな時のシカはちょっと怖い。



紅葉谷公園へ


私にとって宮島といえば厳島神社であり、その他の観光スポットは全く知らないまま訪れましたが、ホテルで入手した「宮島ガイドマップ」を眺めると結構いろいろな見どころがありそうです。


到着翌日は、紅葉谷公園へ行ってみました。


ガイドマップによると、厳島神社から徒歩数分のところにあるように見えましたので、その日は大雑把に ”紅葉谷公園→厳島神社” の順に散歩してみようと思いました。


紅葉谷公園には、厳島八景と呼ばれる 「谷ケ原」 というスポットがあるらしく、写真で見る限りとても美しい景観が楽しめそうだと期待が募りました。

ここには約200本のもみじがあるそうです。

私の訪れた11月はまさに紅葉の時期のはずですが、まだちょっと早かったようです。
少しずつ色づき始めたかな、、、といった状況でした。


しかしとても空気がきれいで気持ちのいい場所です。
いつの間にかどんどん歩き進み、気がついたらお昼を回っていました。


山中のお店で一休みします。




*残念ながら紅葉の写真がございませんので こちら のページ(廿日市市宮島観光事務所)でお楽しみください。写真や動画も楽しめます。



大鳥居の




カキうどん!?



写真は撮っていませんが、このお店には 「カキうどん」 というのがメニューにあり、気をそそられました。


カキもうどんも大好きですが、一体どんな味なのか・・・

カキといえば、土手鍋かカキフライくらいしか頭に浮かびませんでしたから期待と不安が交錯します。


出てきた「カキうどん」は、みそではなく澄まし汁にうどんとカキだけというシンプルなものでした。(ネギは入っていますけど)


どれどれ、まずはだし汁を、、、


ん!?


だしを頂いた瞬間、口のなかにふぁ〜っと潮の香りが広がります。


おいし〜


ワーワー言いながら食べていると、お店のおばさんが 「これも食べてみな」 と、カキの佃煮を持ってきてくれました。


 「昨日ウチで作ったんだよ」


 「えっ、いいんですか?」


 「いいから好きなだけお食べ」


これがすごく美味!!


またもやワーワー言いながらうどんと佃煮を交互にいただいていると、

「ずいぶん気に入ったみたいだねぇ、なんなら佃煮売っているところ教えてあげるよ」と天使の声が聞こえてきました。(おばさんの声ですけど)


しっかりとメモし、宮島を去る日に買い込んだのは言うまでもありません。



さて、おなかもいっぱいになり満足感に慕っていると、別の観光客がロープウェイがどうのこうのと言っている声が聞こえてきました。


どうやらそのお店から少し歩いたところに、弥山(みせん)へのロープウェイが出ているようです。


まだお昼を過ぎたところだし、時間はたっぷりあるので私もその弥山とやらに登ってみることにしました。




大鳥居




弥山へのみち



カキうどんと佃煮をふるまってくれたお店でロープウェイのチケットを入手し、乗り場へ足を向けました。


「すぐそこだよ」とおばさんは言っていましたが、結構歩きました。

日ごろの運動不足が祟っているようです。
しかし、私の少し前にはお年を召された方が3人 「遠いな〜、まだかいな〜」 などと言いながらもスタスタ登っていくので、歩みを止めるわけにはいきません。


ようやくロープウェイに乗り込み、中で休憩がてら弥山についてのガイドを読んでみました。


標高535mという高さがどの程度のものか、滅多に登山をしない私にとっては高いのか低いのかピンとこない高さでしたが、ロープウェイで運んでくれるのならどってことないと高をくくりました。

確かにロープウェィで運んでくれましが、到着した場所は山頂ではありませんでした。
そこからの眺めもまずまずでしたが、少しもやがかかっておりスカーッとした景色とは言えない状態でした。


ロープウェイ降り口には弥山山頂へのルートが描かれています。


まだこの先があるんだよな、途中で帰るわけにはいかないよな、こんなお年寄りでも登れるんだったら大丈夫だよな、、、


いろいろなことを頭の中で考えながら、やはり登ってみることにしました。




宮島を論じてもいい?




弥山の山頂までの道のりは、今思い出すだけでも息が切れそうなくらいキツかったです。。。

ハイヒールで登るお姉さんもいましたが、はっきりいってやめたほうがいいです。


そのかわりじゃないですが山頂の景色は大変素晴らしく、ここまで来てよかったと思いましたよ。
風が程よく冷たく、とても気持ちいい時間でした。

山頂にはちょっとしたお店がありましたが、私は立ち寄らずひたすら景色を堪能しました。


でもちょっと待てよ、

このお店の人たちは毎日登山して出勤しているのだろうか・・・?
どうやって飲み物や食べ物を運んでいるのだろうか?

ヘリコプターが降りられるほど広いスペースはないように思うけど・・・


そんなことはさておき、十分景色を楽しんだら下山です。
長居して日が暮れたら厄介ですからね。


帰りはラクなものです。
山頂で少し体がひんやりしたおかげか、気持ちよく下山することができました。
ロープウェイの乗り継ぎも、ほとんど待ち時間がなくバッチリです。


後で知ったのですが、 「弥山に登らずして宮島を論ずる勿れ」 という言い伝えもあるそうですので、宮島へ訪れた方はぜひ登ってみることにしましょう。


重装備は必要ありませんが、歩きやすいクツで。




厳島神社へ




弥山を下りたら厳島神社へ。


神社へ入るには、まずお清めをしますね。
私も当然しましたが、、、
何やら背後から複数の気配を感じました。


ん?


と思ってチラリと自分の肩越しに後ろをのぞき見ると、外国人女性が3人私のほうを食い入るように見ています。


なんだ!?


彼女たちがなぜ私を見ていたのかを理解するのにそう時間はかかりませんでした。

つまり、参拝の ”お作法” を見てまねしようということだと思います。


え、えらいこっちゃ!
これはきちんと正しいお見本をしめさねば!


私の心のつぶやきと行動を笑ってやってください・・・


えーっと、まず何だっけ?
柄杓を取って手を洗うのよね!


あれ、左右の順番があるんだっけ?
えい、右利きなんだから右手で取りゃいいや、ままよ!


右手で柄杓をとり、左手を洗いました。


今度は柄杓を左手に持ち替えて右手を洗いました。


それからっと、、、
あ、そうだそうだ、口をすすぐのよね確か。


あれ、また柄杓を持ち返るんだっけ?

ま、いいや、それらしくやっとこ。


もう一度柄杓を右手に持ち替えて左手に水をすくい、口をすすぎました。


チラッ |д・)


彼女たちもまねしています


うわっ、やっぱりマネしてる!


(動揺を悟られないように平然とした態度を装います)


口をすすいだら、、、どうやって柄杓を戻すんだ?


うえーん、こんなことならちゃんと調べておくんだった
小さいときに親にちゃんと教えてもらっておくべきだった


そ・そうだ、彼女たちもまさかこの先もずっとこの作法を覚えてはいないだろうし、大丈夫だよきっと。

開き直って、それらしくふるまっておきました。


念のため、柄杓の柄の部分を水で流してから元の場所へ戻しておきました。



たぶん大間違いではないと思いますが、これらはすべて私のうろ覚えでした行動ですので皆さんはきちんと調べてからなさってくださいね。

それにしても彼女たち、まさかずっとついてこないでしょうね!
どうせなら見てないで、いっそのこと聞いてくれたほうがありがたいんだけど!




厳島神社で参拝




手水を終えてしばらく歩みを進めると、いつのまにか3人の外国人女性はいなくなっていました。


よかった。

手水の作法だけマネできればよかったのね。

安心して(?)参拝を続けることができました。


それにしても厳島神社側から見る大鳥居、そして海もなかなかの景色でした。



厳島神社1


参拝を終え、おみくじも引き神社を後にします。


この日は弥山から厳島神社へと相当な距離を歩きましたが、参拝を終えた頃にはなぜか疲れはなくなっていました。


身も心も洗われたのでしょうか。
とてもいい気分だったことを今でもよく覚えています。



宿へ戻り夕飯へ向かいます。
ここからが大変おもしろい夜のはじまりでした。




そして宴・・・




夕食は宿泊しているホテル内にある居酒屋のようなところへ行きました。


私さすがに一人で居酒屋に入ったことはないのですが、よくある仕事帰りに皆で立ち寄る居酒屋という感じではなく、カウンターのみの小さなお店で、しかもホテル内にある店でしたので入りにくくはありませんでした。


私が入店した時は、まだ少し早い時間でしたので他には3人しかいませんでした。


最初は遠慮がちにお勧めの小料理やビールをちょっとずつ注文し空腹を満たしてゆきます。


カウンターの左斜め前に置いてあった 「地酒」 のメニューが気になって仕方ありません。


ビールも飲み終えたし、せっかくなので・・・


「おかあさん、地酒を」


「何にする?」


よくわからないので最初はややフルーティなものをいただきました。
最初からディープなのはさすがにちょっと、、、まるで酒飲みみたいだし。

いくらホテル内のお店とは言っても、よく知らない場所でべろべろになるわけにはいきませんから、ほどほどにするつもりでした。


ところが、おかあさんはおいしい小料理を出してくれるし、昼にうどん屋のおかあさんが出してくれたおいしい ”カキの佃煮” は出してくれるし、ほどほどにできる自信はすでに失っていました。


おまけに少しずつお客さんが増えてきて、私の隣には次から次へと各国からの観光客が座ってきます。


まずはポーランドからのご家族。


3人で見えたのですが、メニューを見てもよくわからないようでずいぶん考え込んでいます。

このご家族とお店のおかみさんとで、カタコトの英語でどうにかモノが何かだけを確認して注文しています。


なんだかうずうずしてきました。


おせっかいが始まります。




宴は続く




ポーランドから来た3人連れが何やらドイツ語のサウンドに似たどっしり感のある言葉でしゃべっています。

何を言っているのかはわかりませんが、どうやら私の食べているものをチラチラ見ながら探りを入れているように見えました。


「これ?」


(3人うなずく)


「これはカキ。すごくおいしいよ。食べる?」


「ダ・ダメ、私たちはカキを食べることはできない」


「そりゃ残念、カキは広島の名物なんだし旅の土産話になるからちょっとどお?」


「悪いけどそれだけはできない!」


ずいぶんきっぱりと言い切るので、よほどダメなんでしょう、無理強いはやめておきました。


「であなた方はどちらからいらしたの?」



楽しいですね〜


海外旅行になんて行かなくても国際交流が(大げさ?)できるのですから、さすが広島です。


ご挨拶代りにソーセージを振舞ったら、お返しだと言って地酒を振舞われてしまいました。

(やっぱりほどほどになんてできない)

すっかり意気投合して話も弾み、時にはよぼよぼながらお店のおかあさんと彼らの注文のやり取りを通訳してみたりしながら即席の小さな宴を楽しみました。




魚の英語




それにしても英語で食べ物の説明するのって難しいです。

魚の名前なんてそのものの単語を知らなければ、代わりの語で説明するのも至難の業です。


たとえば ”えんぴつ” という語が分からなければ ”字を書くときに使う筆記具” のように知っている単語でどうにか説明もできるでしょうが、”鯛” という語が分からなければどうやって説明できましょう!?

そのわりに懸命に食べ物の名前を覚えようなんて努力はしませんからね。


いざとなったら絵を描くしかありません。

切り身のイメージしかない魚の場合それも難しかったりして・・・


そういえば以前、会社の慰安旅行で行ったオーストラリアのレストランで夕食をとる時、”今日の魚” か ”今日の肉” から選べと言われ、そんな大雑把な選択はできないと思い、「今日の魚ってなんだ?」 と聞きました。


みんなが英語で聞くのをためらっていたので、えらそうにペラペラっと聞いたまでは良かったのですが、魚の種類を答えられ何のことかわからず笑って終ったということがありました。


「ははは。 聞いたのは良かったけど、よく考えたら魚の英語言われてもわからないのを忘れてた」


結局なにやらわからないまま魚を頼んだというオチです。


話がそれましたが、ポーランドの方たちが食事を終えるとお互い ”良い旅を” と言って別れを告げました。


でもまだ宴は続きます。




遠のく記憶




左隣にイギリスから一人でやってきたというバックパッカー風の旅人が座ってきました。

こちらにもカキの佃煮をすすめたところ、大変喜んでいました。


「ウマイ」


「本当に?気をつかってそういってるんじゃないの?」


だんだん素面の状態から酔いどれ気分になり、初対面なのに失礼なことを言い出しています。

でもこのイギリス人男性は、本当に気に入ったようで自分でも注文していました。

そうだろう、そうだろう


それからしばらくイギリスの話や、この男性が通っているという大学の話などを聞いて盛り上がりましたが・・・

話を聞いたことは覚えているのですが、話の中身は今となっては全く覚えていません。

覚えている話といえば、

私の右隣に座っていた人が(たぶん日本人だと思いますが視力も衰えてきたようではっきり認識できませんでした)、ぷかぷかとおいしそうにタバコを吸っていることに話が及んだことです。


イギリスではタバコがすごく高く(1箱約1,000円と言っていたと思いますが・・・覚えていません)、私とその右隣の人とで驚いたことはなぜかよく覚えています。

その後のことは本当に記憶が薄く、いつの間にかホテルの自室に戻り、いつの間にか大浴場に行っていて、いつのまにか寝ていたら朝になっていた、、、


何とも不用心というかだらしない話です。


後から聞いたことですが、ホテルの自室に戻ってから職場仲間に陽気に電話していたそうです。

どうでもいいことを楽しそうに話してサッサと切ってしまったとのことです。
ゴメンナサイ



そして宴は終わる




楽しい宴の翌日の朝食はあまり食が進みませんでした。

「白いご飯か五穀米が選べます」 というので、なんとなく元気を出したくて五穀米を選びましたが、他にはおみそ汁とヨーグルトで胸が苦しくなり、部屋に戻ってしばらく休みました。


まったく何しに来たのやら・・・

お昼過ぎにようやく昨夜のお酒が抜けたようで、早速外の空気を吸いに出かけました。


この日は 大聖院(だいしょういん) を訪れました。


昨晩の私のふるまいを清めなければ。


数日後にダライラマが訪れるらしく、院内はその準備で皆さん忙しくしていました。


この日訪れたのはここだけです。

夕飯も、この日はおとなしく広島焼きとビールだけにしておきました。
それでもビールは飲むんですけど。

(反省してない?)



sika 大聖院のシカ




宮島から広島市内へ




宮島を去る日がやってきました。

とても小さな島ですが、厳島神社はもちろん、弥山、大聖院ほか見所はたくさんです。

中心地へ行けば必ず知り合いに出くわすような、そんな小さな町は大好きです。

ニュージーランドのクライストチャーチもそんな小さな街の一つでした。

ここ宮島では知り合いはいませんが、住めばきっとそんな感覚をもつところなんだろうなと思いました。


登山あり、おいしいものあり、失態もありの宮島を去ります。
が、カキの佃煮を買うのを忘れてはいけません。


うどん屋のおかみさんにおみやげ屋さんの名前は聞きましたが、肝心のおみやげ屋さんの場所が分からず、結局あちこちの土産屋に入っては「佃煮はないか」と尋ね、どうにか手に入れてフェリー乗り場に向かいます。


宮島は去りますが、このまま帰宅するわけではありません。

忘れかけていましたが、本来の目的は広島市内にある原爆ドームを訪れる事でした。


そう、ここはあくまでもオプションだったのです。
とても色濃いオプションでしたが・・・




原爆ドームにて修学旅行生を思う




広島市内へ入りました。


ここも長崎同様、路面電車がありますのでとても便利です。
しかし、長崎は昭和のにおいが漂う ”路面電車” という表現がぴったりですが、ここ広島は ”トラム" と言ったほうが似合うかなというくらい近代的なものでした。

それもそのはず、ドイツ製なんですね。
私は長崎の路面電車の方がお気に入りです。


さて、トラムを乗り継いでホテルに到着しました。
週末ということもあってビジネスホテルしかとれなかったのですが、行ってみれば申し分のないいいホテルでした。
温泉もあるし、私の部屋にはなんと立派なマッサージチェアが備え付けられており、とても重宝しました。
さすがビジネスホテル(?)


ホテルについたのはまだ午前中でしたので、荷物を預け早速原爆ドームへ向かいました。
本当は翌日行くつもりだったんですけどね。


ここも観光シーズンのため、中学校の修学旅行生がたくさんいました。
私はじっくり見たいのに、修学旅行生は少々おいたが過ぎ、正直なところ少々じゃまでした。

しかし、もし私も中学生くらいの時にここに訪れていたら、こんな感じだったかもしれません。
しかも一度訪れたのだからもういいと、今回のように日本の歴史を知るための旅として計画しなかったように思います。
そういう意味では、子どもの頃に教育の一環としてこのような場所へ連れてくることも善し悪しだなと思ったりもしました。
少なくとも私にとっては、修学旅行などで連れていってもらっていなくてよかったなと思います。
だって修学旅行といえば、お友達との "お泊り" で頭がいっぱいでしたから。


ま、私のような子ばかりではないと思いますけどね。




広島市内をてくてく歩く




広島市内はなんと2泊の予定で訪れたのですが、これは1泊でよかったかなとすぐに思いました。

というのは、目的は原爆ドームと資料館を訪れる事でしたので、市内到着日に目的は果たしてしまったのです。
おまけに、広島ご出身の方には申し訳ないのですが、市内には他にこれといった見所が少なかったのです。(ないとはいいませんが)


そこで翌日はガイドマップを頼りに 「広島県立美術館」 から 「広島城」 そして 「縮景園(しゅくけいえん)」 へ行ってみました。


この日は日曜日で、美術館もなにやら子ども向けの絵本の展示か何かをやっていたようですので、私はその他の常設展示物のみ鑑賞して(鑑賞といってもその間もちびっこがちょろちょろしていたのであまり落ち着かなかったのですが)サッサと退散してしまいました。


広島城は、毛利元就の孫の輝元築城のお城だそうです。
ここはまずまず見ごたえがありました。
外国人観光客が、写真撮影用に用意されている着物を羽織っては写真を交代々々で撮っていました。
私はもちろん遠慮しておきましたが。


続いて縮景園


こちらはなかなかいい場所でした。

藩主浅野長晟が別邸として築造したものらしく、茶人として名高い上田宗箇が作庭したという見事な庭園です。
なんでも中国の西湖を模して縮景したともいわれているそうです。
だから縮景園なんでしょうかね。

お弁当などあればのんびり広げて食べたいような所でした。


縮景園

ここを後にしてもまだお昼すぎです。
いい所ではありますが、やはり1泊でもいいようです・・・


あと半日どうするか、、、

考えた末、思い切って尾道まで行くことにしました。




尾道へ




尾道・・・


写真でしか見たことのない場所でしたが、見るからに情緒あふれるいい街並みです。

JR広島駅から快速電車で1時間20分です。
まだ昼過ぎでしたが大丈夫かなとちょっと心配になりました。

普段は仕事を終え夜中に帰宅することもしょっちゅうですが、知らないところで真っ暗な中てくてく歩くのはちょっと心細いものです。方向音痴ですからね・・・


さて尾道に到着したら、さっそく駅を出て右手に見える 「しまなみ交流館」 へ行きましょう。
そこで「尾道観光案内図」を手に入れます。
ゆっくりできる方は、そこで「おのみちグルメマップ」「おのみちロケ地案内図」を手に入れて巡るのもいいでしょう。

時間が合えば ”レトロバス” に乗るのもいいですね。

私は半日しかなかったのとバスが出たばかりだったので断念しました。
年配の方や、あまり歩き疲れたくないという方は少々待ってでもレトロバスに乗るほうがいいかもしれません (レトロじゃなくてもいいんですけど)。


種明かしを先にすると、尾道観光案内図にある「古寺めぐりコース」を歩くとヘトヘトになりましたから。




いざ古寺めぐりへ




素直な私は(?)尾道観光案内図にある「古寺めぐりコース」をその通りに忠実にめぐりました。

地図をくるくる回しながら・・・

自分の感覚を頼って余計な事をするとエライ目にあうことがこの年になってようやくわかってきましたので。


「古寺めぐりコース」は、その時のマップはもうぐちゃぐちゃで捨ててきましたから手元には残っていませんが、要するに "尾道駅から浄土寺まで” いくつもある古いお寺をめぐるコースです。


尾道駅を出るとまず 「林芙美子の像」 が見えてきます。
『放浪記』や『浮雲』が有名ですね。


とまあそこまでは落ち着いてご紹介できるのですが、そこから先は小道を上って下って何ところじゃありません。
まるでノルマをこなすかのように、次の寺から次の寺へと巡っていたような気がします。

時間のある方はゆっくり休みながら行きましょう。

私は何とか日が暮れるまでに、せめて折り返し地点くらいまでは!
という気持ちがあったので、なんだか何をしに巡っているのかわからなくなりそうでした。

道の途中、ゼーゼー息を切らしながら歩いていると、すぐ先に大変ゆっくりペースで歩くおばあちゃんに出会いました。
地元の住民です。


「おばあちゃん、大変ね坂道多くって」


「へぇ、そうですねん、もう慣れましたけどな、今日もこれ3往復目ですねん。」「あんさんお寺巡ってはんのんか?」


     U


慣れましたけどな、と言う表情がなんだか辛そうでした。


そう言えば、情緒ある街並みですが所々朽ちかけた家−人がもう住んでいないんですね−を目にしました。
何らかの事情でこの地を去って行かれたのでしょう。
見た目にはとてもいい街並みですが、お年を召された方が住むには大変そうです。30代の私でさえゼーゼー言っているのですから。


「じゃあ、おばあちゃん先に行くね、気をつけて」


おばあちゃんがんばって!


おばあちゃん子だった私は生前のばあちゃんを思い出し、ちょっとしんみりしてしまいましたが、気を取り直して先へ急ぎます。




尾道
尾道にはこんな風景がいたるところに・・・

これをおばあちゃんは日に3往復するんです。




古寺めぐりコースはつづく




尾道の「古寺めぐりコース」・・・これはなかなか骨が折れます。

途中ロープウェイや展望台もあり、休憩しながら巡ることができるのですが、やはりくどいようですが時間に余裕をもって丸1日かけて巡る方がいいでしょう。

半日ではキツイです。

私もロープウェイを利用しましたが、ヘンな意地が働いて ”下り” のみ利用しました。
よりキツイ ”上り” は歩いてゼーゼー言いながら登りました。

数日前の ”弥山” へ登った時のことが思い出されます。


 この旅は登山ばっかりだ・・・


自分で選んだコースです、仕方ありません。


展望台で景色を眺め、アイスクリームで体をひんやりさせたらもう後は休憩している余裕はありません。
もう日が暮れかかってきました。

帰りの電車の時刻を調べてしまっていたので、制限時間つきです。


展望台からロープウェイで少しラクして下りましたが、そこから少しずつ地図を見る目が狂いだしてきました。

そこまではコースマップ通りに巡ってきましたが、どうも違う筋を入ってしまったのか次のお寺が見つかりません。

マップ通りに歩いているつもりが、民家の裏道 −というより民家の裏庭とでもいいましょうか、各家庭のプロパンガスなどが置いてあるような場所− に入ってきてしまいました。


タイミングがいいのか悪いのか、家の中から奥さんが出てきて、別に悪いことをしているわけではないのですが 「すみません」 などと謝りながら通って行きます。


だって、普通家の裏で知らない人がうろうろしていたら怪しいですよね。


しかし奥さんも慣れているのか 「あっちだよ」 と、聞きもしないのに次のお寺の方向を教えてくれました。

コースマップを手にしていたのでどうにか怪しまれずに済んだのでしょう。


気を取り直して ”あっち” の方向へ急ぎます。




怪しい私




地元の住民にそれとなく方向を教えてもらい、改めてコースマップを手に次のお寺へ向かいますが・・・

たどり着いたのは中学校です。


「あれ?」


この中学校の中を通るんか?
まさかね・・・
なんか体育館でクラブ活動してるし。

でも地図では確かにこの学校の中を通るように見える。

...

学校の周辺をウロウロしてみると横道を見つけました。
ここでも怪しい人物になってしまっています。

が、言っている場合ではありません。
先を急ぎ、お寺を探します。


もうこの時すでに空は真っ暗でした。

どうにかお寺らしきところを見つけましたが、中に入ることはせず駅方面に向かうことにしました。

体はヘトヘト、おなかもすいてきたしあたりは真っ暗・・・


もう帰りはバスに乗って帰ろうと思いましたので、一番近くのバス停へ向かいます。




葛藤




「古寺めぐりコース」 をたぶん全て巡りきらないうちに帰路につくことに決めました。

たぶん、というのは、もう最後は落ち着いて ”古寺をめぐる” ことより時間を気にしながら、且つヘンな方向に向かって駅から遠ざからないように注意することばかりに気を取られていましたから。

体もヘトヘトですから当然バスに乗って駅へ向かうつもりでしたが、バス停についてみると、なんともう最終バスは出て行ってしまっていました。


えーっ、まだ6時にもなっていないのに


仕方ありません。
気を奮い立たせ、よぼよぼの体を気合いでシャキッとさせ、海沿いを歩き始めました。


JR尾道駅発の広島行きの電車は、確か18:45発だったと思います。
バスがないとわかったのが17:45くらい。


なーに、あと1時間もあれば間に合うさ。
それに海沿いをまっすぐ行けば迷うこともない。
もう地図もいらない。
あとは・・・気力と体力だけ。


潮の香りの中トボトボと20分ほど歩いたところでお寿司屋さんが見えてきました。


お寿司は特別好きな方じゃないけど・・・
でもこんな海のそばのお寿司屋さんなんて・・・

新鮮なとれたての海の幸が楽しめるに違いない!!!


あーでも、でもでも、、、
お寿司なんて食べたら絶対に日本酒がほしくなるに違いない。
こんなところでまたベロベロになったら帰りの電車に間に合いっこないし、へたすりゃ駅までたどり着けないかもしれない。
もし電車に乗れなかったらどうするんだ?
タクシーで広島市内まで戻るのか?
でも電車でも1時間以上かかる距離なのにタクシーなんて・・・
そうなったらこのあたりで宿をとった方がいいの?
でも荷物は全部広島だよ、明日は家に帰る日なんだよ、どーすんのどーすんの、どーすんの私!!!

だったらお酒飲まないで寿司だけ食べればいいんじゃないの。
いや、そんなの絶対ムリだ。
だったら持ち帰りってできないかな!?
でも店の中に入ってしまったら・・・


歩きながら瞬時にそんなことが頭の中でぐるぐる巡り葛藤していました。

そんなに悩むことじゃないですよね、普通の方なら・・・




めぐみの食




結局そのお寿司屋さんには入らずに駅に向かいました。

やっぱりただじゃすまないと思ったんです、お店に入ってしまったら。
こんなことならこの日はいっそ尾道泊にしておくんだった。

そんなことを思いながら駅に向かいます。

30分ほどで駅につくのではないかと思っていたのに結構な距離があり、駅についた頃には発車20分ほど前でした。


駅に向かう途中、寿司屋はあきらめざるを得ませんでしたが、なんとかお土産だけでも買えないかと思ったのですが、やはり電車の時間が気になり、あと何分ほどで駅にたどり着く科の予想も立ちませんでしたから、何もせず駅に向かうだけでした。


おなかすいた。

でもあと20分じゃ食事もムリだ。
電車に乗ったら1時間20分何も食べられないし、電車の中で食べるわけにもいかないし、、、


駅のそばに、というよりほとんど駅の中といってもいいかもしれませんが、ラーメン屋があったのを思い出しました。


そうだ尾道ラーメンだ!


よし、それでいこう!!


そう思うと急に元気が出てきました。

駅に着くや否や即座に切符だけ買い、隣のラーメン屋に駆け込みました。

入り口で食券を買うタイプのラーメン屋さんです。
学食みたいでなんだか懐かしい。

迷わず尾道ラーメンの券を買い、アツアツのラーメンが出てくるのを待ちます。
待っている間がもどかしかったので・・・


「おばちゃん、ビールちょうだい」


20分しかないのでためらっていたのですが、やっぱり注文してしまいました。


電車の時間が迫っていたので駆け足で尾道ラーメンとビールでおなかを満たした後、1時間20分かけて広島市内へ無事戻ることができました。
晩御飯が尾道ラーメンとビールだけってのはちょっと寂しいかな、、、
1時間半も経てばまたちょっとお腹に余裕ができてきます。
広島焼きを探し求めましたが、幸か不幸かすぐにトラムがきてしまい、仕方なくホテルへ向かいました。

この日は歩き疲れた体を、ホテルの温泉で癒しておとなしく休むことにしました。
色々ありましたが、宮島から始まった広島の旅も終りを告げようとしています。



広島の旅をふりかえって




長く続けた割に大した話題のない広島の旅でしたが、世界遺産の厳島神社をはじめ、原爆ドームそして資料館を訪れ、ひょんなことに尾道まで足を運び、私としては充実した4日間でした。


途中へべれけになるという失態もございましたが、かろうじて人様のご厄介になるほどの状態ではありませんでしたので"セーフ"といたします。


そもそも原爆ドームと資料館を訪れるための旅でしたが、カキの佃煮やカキうどん、ビールに地酒にと何と申しましょうか、おじさんの書いたような旅の栞になってしまいました。 (おじさんには失礼ですね)

これに関しては父親譲りなので仕方がない、血がそうさせてしまっているのです。


  

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さて、ドイツの民宿でお世話になったご夫婦の話を聞いて、日本人として広島長崎を訪れていないことに恥ずかしい思いをしてから数年・・・

2年越しでようやく両方の地を訪れました。


先に訪れた長崎の原爆資料館は本当に衝撃的で涙が止まりませんでした。
広島の原爆ドームを前に、各国の観光客が真剣なまなざしで説明文を読んでいる姿も印象に残っています。



私の身近に、日々仕事や学業の合間にアマチュアスポーツに汗を流すグループがあります。
彼らはスポーツだけではダメだと、戦争の歴史を学ぶ機会を持っているようです。
先輩が後輩を連れて原爆ドームを訪れたり、戦争について書かれた書籍を読ませたり、私より若い世代なのですが熱心に活動しています。


ある小学校では、原爆資料館から一部資料を取り寄せて学校で展示し、先生たちが指導している学校もあります。


私の小学生時代は、せいぜい 「はだしのゲン」を見る程度でしたが、この小学校では次元が違うようで、毎年何人かの子どもがショックでしばらく塞ぎ込むお子さんもいるそうです。その事態を承知しているため、あらかじめ ”見たくない生徒はムリに見る必要はない” としているそうですが、そう言われると見ずにいられないのが子どもというもの。塞ぎ込んだり、一人でいるのが怖いという状態になるお子さんもいるようですが、先生がしっかりとフォローし、しばらくすると立ち直るようです。



アマチュアスポーツのグループの話や、こういった小学校の話を聞くまでは、これからどんどん戦争の歴史を知らない世代になっていくこと、今よりずっと無関心な世代になっていくのではないかということなどを少し心配していましたが、まだまだ大丈夫だという思いになりました。


私も両都市を訪れたことだけに慢心せず、戦争のこと日本の歴史や文化のことを後世に伝えてゆけるように勉強したいと思います。



原爆ドーム





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